防草シートに粘着テープ&ピンシールが必要なわけ~開発秘話~
「防草シートに粘着テープは必要ですか?」
防草シートをご検討中のお客様から、よくこんな質問をいただきます。
防草シートを敷くだけなら固定ピンだけでも十分ですが、当店は防草シートに「粘着テープ」や「ピンシール」のご使用をおすすめしています。
それは、施工後の雑草発生量と雑草管理に驚くほどの違いがあるためです。
この記事では「粘着テープ」と「ピンシール」の開発秘話を、当時の問題点と合わせてご紹介していきます。
防草シート専用のテープで防草効果が変わる?
防草シートを敷こうとすると、防草シートへの加工が伴います。
例えば、植木や排水桝などの構造物がある時には防草シートに切り込みを入れたり、複雑な地形の時には防草シートを何枚かつなぎ合わせて施工することがあります。
このように防草シートへの切り込みや継ぎ目が発生することを避けることはできません。
防草シートに粘着テープが必要なワケ
防草シートを敷いた後、ある程度の期間は綺麗な状態が続くかもしれませんが、切り込み部分・つなぎ目(ジョイント)部分・コンクリートなどのキワ部分からは徐々に雑草が生えてきます。
▲ 防草シートの 切り込み部 |
▲ 防草シートの 継ぎ目部 |
▲ 防草シートの 端部壁ぎわ |
このような雑草を防ぐために開発されたのが「粘着テープ」です。
非常に強力な粘着力で、防草シートのあちこちにできた隙間を塞ぎます。
また、切り込み部分や重ね部分に粘着テープを貼ることで風の入り込みを防ぎ、強風で防草シートがめくり上げられることを事前に予防することができます。
▲ 強風でめくりあげられた防草シート | ▲ 防草シートめくれや雑草を防ぐことが可能 |
また、防草シートを固定するためにピンを打つと、当然のことながら防草シートに穴があきます。
この穴を狙って雑草が生えてきます。
雑草から見れば、ピン穴からの光は 一筋の希望の光のように見えていることでしょう。
光を目掛けて生えてくるので、ピンであいた穴も丁寧に塞ぐことが必要です。
▲ ピン穴からも 雑草が生える |
▲ ピン穴を覆うように 貼ります |
つまり、防草シートでカバーできない隙間があれば粘着テープで補うことがポイントです。
もちろん、防草シートだけの使用でも雑草を抑えることができます。
しかし雑草は、少しでも地上に出ると あっという間に防草シートの上で繁茂します。
大きく生長し、地面に固定されている防草シートをめくりあげることもあります。
防草効果の高い防草シートを使用していても、抜け穴を探して出てくる雑草はあります。
雑草が出る隙間を無くすことが 防草シートの効果を最大限に発揮する手段となります。
▲ 隙間から出た雑草は防草シートの上で大きく生長します
せっかく費用と時間をかけて防草シートを敷くのであれば、より防草効果を高め・可能な限りその状態を維持する目的で、粘着テープの併用をおすすめしています。
防草シート専用「粘着テープ」「ピンシール」が誕生!
当社で防草シート専用のテープを開発していたのは、2000年頃です。
当時は多くの問題が発生していました。
外の気温が低いとテープの粘着材が硬くなって、テープが防草シートからはがれてしまったり
チガヤなど先のとがった雑草が粘着テープを突き破ってしまったり・・・
失敗事例を参考に、粘着テープの改良を重ねていきました。
このようなわけで、
- 防草シートと同等の耐用年数10年
- 強力雑草も突き抜けない防草効果
- 気温が低くても強力な粘着力を保つ
現在の「粘着テープ」が誕生しました。
▲幅10㎝ × 長さ25mの「粘着テープ」
この粘着テープを使っていくうちに、別の問題が浮上しました。
“カットが大変”ということです。
固定ピンで開いた穴にテープを貼り付けるため、
現場では長い巻物のテープを短くカットする作業が繰り返されていました。
粘着テープの強力な粘着力は、すぐにハサミの刃をネバネバにしてしまうため、
カッターで一枚一枚カットするという とても手間と時間のかかる作業でした。
防草シートを敷くよりも、粘着テープをカットする方が時間がかかったと思います。
また、粘着テープは重量があり、手持ちで長時間作業することは腕や腰への負担も大きいものでした。
そこで、粘着テープを10cm角にカット加工した「ピンシール」が誕生したのです。
ピンシールが誕生
粘着テープをいちいちカットする手間が省け、小分けにすることで持ちやすく、
作業者全員に配布することができるので作業効率がグンと良くなりました。
▲1セット25枚入りの「ピンシール」
さらに進化を遂げるピンシール
粘着テープよりも格段に施工性の良い「ピンシール」ですが、
“ピンシールの台紙がめくりにくい”という問題が出てきました。
「粘着テープ」があらかじめ10cmに角にカットされている「ピンシール」は、
シールの台紙まで一緒にカットされており一枚ずつ完全に分かれていました。
強力な粘着力をもつシールは、手袋をはめて作業するのが基本ですが、
手袋では、素手のような繊細な動きができず、端から台紙をめくることに苦労しました。
そこで新たに開発されたのが「ピンシール(改良版)」です。
ピンシール(改良版)が誕生!
※台紙は カットされていません |
粘着部分はカットされていますが、台紙まではカットされていません。
ちょっとした改良点ではありますが、こちらの方が断然めくりやすい!
強力な粘着力はそのままなのに、小分けで軽量なので持ち運びやすい!
細かい作業がいらないので、誰が作業しても同じように作業できる!
こうして現在のピンシールが誕生しました。
長い時間をかけて何度も改良された「粘着テープ」や「ピンシール」ですが、
今や、当店の防草シート用の資材で上位を争う人気商品となっています。
防草シートと同化する専用テープが新発売!
耐用年数の長い防草シートをこれまで長年販売してきましたが、
お庭に防草シートを張る方が増えてきて新たな課題が出てきました。
“防草シートに貼ったテープが目立つ”ということです。
粘着テープは表面にツヤがあり、貼り付けると貼った部分が目立ちます。
特に、毛羽立ちのある防草シートに貼り付けた時は顕著かもしれません。
ツヤのあるテープでも防草効果に問題はありませんが、
美観性の向上を目指したテープの開発に取り組むことになりました。
こうして完成したのが「とことんテープ」と「とことんシール」です。
▲「とことんテープ」 | ▲「とことんシール」 |
使用目的や使用方法は従来の粘着テープと同様ですが、
テープの表面が毛羽立っています。
このテープの表面には「とことん草なしシート」と同じ緑色の綿が採用されています。
▲とことんシール(左)とピンシール(右)を貼り付けたとことんシート
とことん草なしシートに貼り付けると、まるでシールが存在しないかのよう。
従来のテープと比較すると、美観性がかなりアップしています。
お家周りや事業所など、よく人目につく場所での使用におすすめです。
防草シートを美しく仕上げるプランがある方は、ご検討ください。
粘着テープは、使い方によって防草効果に大きな差が出てきます。
粘着テープの効果的な貼り方については、こちらをご覧ください。
市販のもので代用できる?
カインズやコメリなどのホームセンターには高機能なテープが販売されています。
amazonや楽天など、ネットショップではテープのバリエーションも豊富に揃いますね。
しかし、防草シート専用に作られた粘着テープはごく一部です。
- 防草シートに長期間接着するのか?
- テープに防草効果はあるのか?
- 防草シートより先に劣化するのではないか?
このような様々な懸念があります。
防草シートや粘着テープといっても、素材はさまざまです。
お互いに相性が悪い素材もあり、せっかく購入しても無駄になることがあります。
当店の粘着テープは、当店の防草シートとの相性が合うように開発しております。
コンクリートやアスファルトへは接着できる?
コンクリートやアスファルトへ接着したい場合は、
テープでは貼りつきにくいため、防草シート専用の接着剤がおすすめです。
このように、防草シートを接着するのにも様々な資材が開発されてきました。
楽に・長く・美しく除草するためにも、防草シート専用の粘着テープをご使用ください。
私たちも、より皆様に求められるような、防草シート専用の粘着テープの改良に取組んでまいります。
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弊社は防草シートメーカーであり、当店はメーカー直営の防草シート専門店です。
当店の商品は、防草シートの施工現場で起きた問題、お客様からいただいた声から生まれた商品ばかりであり、それぞれに商品物語があります。
脇役ではありますが、防草シートでの雑草対策に欠かせない【防草シート予防補修資材】の開発秘話をご紹介します。
当店の想いを是非ご覧ください。